イヌリンを効果的に摂取する方法と注意点
イヌリンは、血糖値の上昇を抑えたり、脂肪の吸収を抑制し血中中性脂肪を低下させたりする効果がある水溶性食物繊維の一種です。糖尿病の予防や、メタボリックシンドロームを改善・予防する働きがあります。また、イヌリンは腸内で発酵するとオリゴ糖に変化し、善玉菌を増やします。そのため、便秘解消やデトックス作用が見込め、ダイエット効果が期待できる成分です。イヌリンは健康に敏感な人に注目されている栄養素なのです。
イヌリンはどのような食材に含まれているのか
イヌリンを多く含む食材には、菊芋、にんにく、ごぼうなどがあります。中でも菊芋に含まれるイヌリンの量は多く、100グラム中に18グラムも含まれています。菊芋は、芋といってもさつまいもやじゃがいもの仲間ではなく、キク科に属しており、糖質が少ないのが特徴です。そのため、糖尿病予防にも適した食材といえるでしょう。にんにくにも、100グラム中12グラムと高い割合で含まれているほか、ごぼうには100グラム中5グラムが含まれ、一般的に入手しやすい玉ねぎやアスパラガス、ニラなどにも少量ですがイヌリンが含まれています。
イヌリンの摂取方法にはどのようなものがあるか
では、イヌリンはどのように摂取すればいいのでしょうか。以下で確認してみましょう。
食材を調理して摂取する
イヌリンを摂取するには、イヌリンが豊富に含まれる食材を調理する方法があります。イヌリンが多く含まれている菊芋は、近年大型スーパーでも売られるようになり、旬の時期であれば入手しやすくなりました。また、通信販売で購入することも可能です。菊芋は、加熱して食するのが一般的で、きんぴらや肉じゃが、天ぷらなどにして食べられます。にんにくは、大量に食べると胃腸障害を起こす可能性があるほか、口臭の恐れもあるため、薬味や肉の下ごしらえに使用し、少量を摂取すると良いでしょう。ごぼうは、きんぴらや煮物にすると、イヌリンを効率的に摂取できます。毎日の食卓に取り入れてみると良いでしょう。
イヌリンの加工食品を摂取する
イヌリンを含む加工食品には、菊芋を乾燥させた菊芋チップスや、菊芋を乾燥させパウダー状にした菊芋パウダーなどがあります。菊芋は乾燥させるとイヌリンが約5倍になるほか、ビタミンB2も5倍程度、たんぱく質は7倍程度になるなど栄養価が増すため、生の食材を調理するよりも摂取できるイヌリンの量が多くなります。菊芋チップスはそのまま食べたり、フライパンで軽く煎ったあとお茶として飲んだりできます。菊芋パウダーは、お味噌汁やスープなどに入れてもよいですし、サラダや白米のトッピングとして使うことも可能です。癖がなく、食べやすいのが魅力です。
イヌリンが摂取できるサプリメントを摂取する
イヌリンを毎日安定して摂取する方法としては、サプリメントがあります。サプリメントには、顆粒やタブレットタイプがありますが、選ぶ時は化学薬品を使わず無農薬で育てられた菊芋を原料にしているものがベストです。イヌリンは、化学薬品を使って育てられた場合、含有量が大きく減ってしまいます。また、収穫されてからすぐサプリメントとして加工されていることも大事です。安全性の高いサプリメントを選ぶためにも、加工の過程をしっかりチェックしてから購入するようにしましょう。
イヌリンを摂取するうえで気を付けること
イヌリンは生活習慣病の予防効果やダイエット効果があり、美容や健康に良い作用を及ぼす成分です。しかし、人によってはイヌリンを摂取することで下腹部の膨張感や腹痛、下痢、便通障害などの胃腸障害が出ることがあり、万人向きの成分ではありません。イヌリンを摂取して胃腸障害を避けるためには、水分をたくさん補給することが大切です。いつもより多めに水分を摂取するなど、体調に合わせて水分調節をしましょう。
また、サプリメントを摂取する場合は、原材料によってはアレルギー症状が出ることがあります。アレルギーが心配な人は、アレルゲンの原材料である成分から作られていないか、成分表を確かめてから摂取しましょう。 そのほかにも、イヌリンはマグネシウムやカルシウムと一緒に摂取すると、それらの成分の吸収を高める作用が働きます。カルシウムやマグネシウムの過剰摂取は、体調に影響を及ぼすこともあるため気を付けましょう。
イヌリンの過剰摂取に注意しよう
血糖値を下げたい、ダイエット効果を早く実感したいからといって、イヌリンを過剰に摂取するのは禁物です。大量に摂取したからといって、より効果が現れるわけではありません。
奨励されているイヌリンの1日の摂取量は、8グラムから14グラムとされています。一般的には、1日10グラムが目安とされているようです。そのため、食事や加工品、サプリメントからイヌリンを摂取する時は、この分量を守るのが賢明です。40グラムから70グラム摂取しても大丈夫だとの評価もあり、人それぞれ摂取の目安量は異なりますが、最初から大量に摂取するのではなく、様子を見ながら摂取するのがベターです。
正しく摂取すれば健康に良い成分なので、基準値を守ることが必須です。特に、妊婦さんや授乳中のママさん、病気の治療中の人は、過剰摂取により栄養バランスが崩れることがあるため、気を付けましょう。